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クラミジア

クラミジア

クラミジアは、性感染症の中でも最も感染者数が多い疾患で、特に若い世代での感染が増加傾向にあります。ある調査では、1回の性行為で30〜50%の確率で感染するという報告もあり、非常に感染力の高い病気です。
治療により一度は治っても、自覚がないまま再感染しているケースも多いため、定期的な検査がとても重要です。
クラミジアは、性器の感染だけでなく、キスやオーラルセックスによる咽頭(のど)の感染、アナルセックスによる直腸の感染など、さまざまな経路で感染します。また、多くの人が無症状のまま感染しているため、気づかずに広がってしまう可能性が高いと考えられています。
放置すると、女性では不妊症や子宮外妊娠の原因となったり、男性では無精子症を引き起こす恐れもあるため、早期の検査と治療が非常に重要です。

クラミジアの主な症状

クラミジア感染症は、多くの場合で自覚症状が少なく、知らないうちに進行してしまうことがあります。以下は、性別ごとの主な症状です。

男性にみられる主な症状

  • 排尿時の強い痛み
  • 尿道のかゆみや不快感
  • 尿道の熱っぽさ
  • 黄色い膿が尿道から出る
  • 頻尿(トイレが近くなる)
  • 精巣上体(睾丸の上)が腫れる
  • ペニスの先端(開口部)の赤みや腫れ

症状が出る場合でも、軽い違和感程度のことも多く、見逃されがちです。ときには軽い発熱など、全身症状が現れることもあります。

女性にみられる主な症状

  • おりものの増加
  • 下腹部の痛み
  • 性交時の痛み(性交痛)
  • 不正出血(生理以外の出血)

女性の場合は、自覚症状がほとんどないことが多いため、感染に気づきにくいのが特徴です。子宮頸管に感染すると、炎症により上記のような症状が現れることがあります。
※おりものは量が増える程度で、においや色の変化がないケースも多いため、違和感を感じにくい傾向があります。

自覚症状がない場合でも、感染している可能性がある場合は早めの検査と治療が大切です。不安な方はお気軽にご相談ください。

治療方法

クラミジア感染症は、抗生物質の服用によって治療が可能な病気です。治療には、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系などの抗菌薬が使われます。
※市販薬では治すことができません。必ず医療機関を受診して、適切な診断と処方を受けましょう。 治療を始めてからおおよそ2週間後を目安に再検査を行い、陰性が確認できれば治療終了となります。
ただし、クラミジアは再感染が非常に多い感染症です。特に、パートナーとお互いにうつし合ってしまう「ピンポン感染」が起こりやすいため、注意が必要です。
パートナーが感染していることがわかった場合は、自覚症状がなくても早めに検査を受けてください。2人で一緒に治療することが、再感染の防止につながります。
なお、治療が必要な場合は、本院の「自由が丘わたなべ泌尿器科クリニック」と連携して治療を行います。

検査方法

クラミジアの検査は、感染が疑われる部位から検体を採取し、感染の有無を調べる方法です。感染の可能性がある場合は、感染直後から検査が可能ですので、早めの受診をおすすめします。

検査に使用する主な検体は以下の通りです。
症状がある場合はもちろん、無症状でも感染の可能性がある行為があれば検査を受けることが大切です。

検査対象部位 採取方法 備考
男性 初尿(最初に出る尿) ※前回の排尿から2時間以上あけて採取
女性 膣ぬぐい液 医師または医療スタッフが採取します
のど うがい液 のどに感染の可能性がある場合に実施

予防

オーラルセックスやアナルセックスを含む性的接触では、クラミジアに感染するリスクがあります。コンドームを正しく使用することが重要ですが、完全に感染を防げるわけではありません。少しでも気になる症状があれば、速やかに医療機関を受診してください。また、パートナーがクラミジアに感染している場合は、症状がなくても検査を受けるようにしましょう。