- 糖尿病とは
- ED(勃起不全)とは
- 糖尿病がEDを引き起こすメカニズム
- 糖尿病とEDの臨床的意義
- 糖尿病が原因のED治療・予防
- 糖尿病性EDの予防と早期発見
- 当院の衝撃波治療が選ばれる5つの理由
- 治療の流れ
- よくある質問
糖尿病とは
糖尿病は、血中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く内分泌代謝疾患で、大きく分けて「インスリン分泌不足型(1型糖尿病)」と「インスリン抵抗性型(2型糖尿病)」の2つに分類されます。とくに日本人を含むアジア人に多い2型糖尿病は、食生活の欧米化や運動不足、肥満などが背景にあり、インスリン分泌能が相対的に不足したうえでインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)が強まる疾患です。長期間にわたり血糖コントロールが不良な状態が続くと、網膜症・腎症・神経障害といった「糖尿病三大合併症」をはじめ、心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)や脳卒中、がんリスクの増大が報告されています。近年では、ED(勃起不全)も糖尿病合併症の一つとして注目されています。
ED(勃起不全)とは
ED(Erectile Dysfunction:勃起障害・勃起不全)とは、十分な勃起を得られない、もしくは維持できない状態を指し、性交渉に支障をきたすものです。国際勃起機能指数(IIEF-5)のスコアが21点以下の場合、EDの疑いがあります。EDは加齢とともに増加しますが、特に糖尿病患者では有病率が高く、40代〜50代で15~20%、60代以上では30%を超えるというデータもあり、非糖尿病者と比較して約2〜3倍のリスクがあるとされています(図1参照)。糖尿病の合併期間が長いほど、さらに発症リスクが高まることが知られています。
糖尿病がEDを引き起こすメカニズム
糖尿病とEDの関連性は、大きく3つの病態機序によって説明されます。
①血管障害(動脈硬化)
慢性的に高血糖状態が続くと、血管内皮細胞がダメージを受け、動脈硬化が進行しやすくなります。特に陰茎海綿体内の動脈は非常に細く、動脈硬化によって血流が不足すると、勃起時に必要な血液が海綿体へ十分に到達できず、硬度が得られなくなります。糖尿病患者では、大血管(冠動脈・脳血管)だけでなく、微小血管(毛細血管)の障害が進みやすく、海綿体内部の微小循環障害がEDの発症に直結します。また、高LDLコレステロール血症や高血圧を合併していることが多いため、動脈硬化の進行はさらに促進されます。
②神経障害(糖尿病性ニューロパチー)
糖尿病に伴う末梢神経障害は、手足のしびれや痛みだけでなく、自律神経系や知覚神経にも影響します。陰茎の勃起は、知覚刺激が脊髄を介して副交感神経を活性化し、海綿体への血流を増加させることで成り立ちます。慢性高血糖により神経が変性すると、勃起に必要な神経伝達が障害され、十分な勃起反射が起こりにくくなります。特に長期間にわたり血糖管理が不良なケースでは、神経障害の進行が早く、EDの発症が若年でも見られることがあります。
③ホルモン異常
糖尿病患者では、インスリン抵抗性に伴ってテストステロン(男性ホルモン)分泌が低下しやすいことが知られています。肥満やメタボリックシンドローム合併例では特に顕著で、脂肪細胞から放出されるサイトカインやアディポネクチンの異常が視床下部―下垂体―精巣軸(HPT軸)を抑制し、結果としてテストステロン濃度が低下します。テストステロンが不足すると、陰茎海綿体内の一酸化窒素(NO)産生低下が起こり、勃起硬度が得にくくなります。さらに性欲自体が低下し、心理的なEDに移行するリスクも高まります。
糖尿病とEDの臨床的意義
糖尿病患者におけるEDは、単なる性機能障害ではなく、全身的な血管・神経障害の「第一サイン」となる場合があります。EDを自覚した男性は数年以内に心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中)を発症しやすいという報告があり、勃起不全を契機として循環器や腎臓、神経の専門医に連携することで、隠れた生活習慣病を早期に発見・治療するきっかけになります。
また、EDはQOL(生活の質)に大きな影響を与え、糖尿病治療のモチベーション低下やうつ症状を招きやすくなります。パートナーとのコミュニケーションが減少し、精神的ストレスが増すことで血糖コントロールにも悪影響を及ぼし、悪循環に陥りやすいという特徴があります。従って、糖尿病診療においてEDの有無を確認することは、全身管理の上で非常に重要です。
糖尿病が原因のED治療・予防
糖尿病に伴うED治療では、①血糖管理 ②生活習慣改善 ③ED治療薬の導入 ④合併症治療を組み合わせた総合的アプローチが推奨されます。
①血糖コントロール
血糖をHbA1c目標(一般には7%前後)に下げることで、血管や神経の障害進行が抑制され、EDの進行も緩やかになります。インスリン抵抗性が強い場合はメトホルミンを中心に経口薬を組み合わせ、肥満を伴うケースではGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬を活用し、体重減少と血糖改善を同時に図ることが望ましいです。インスリン継続注射が必要な場合も、適切な投与タイミング・用量調整で血糖を安定化させることで、合併症リスクを最小限に抑えます。
②生活習慣改善
運動療法:有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳など)を週3~5回、1回30分以上行うことで、インスリン抵抗性が改善し、血管機能が向上します。筋力トレーニングも併用し、骨格筋量を維持するとテストステロン分泌もサポートされます。
食事療法:地中海式食事やDASH食を参考に、野菜・魚・果物を中心とした低GI(グリセミック指数)食品を選ぶことで、血糖値の急上昇を抑制します。過剰な飽和脂肪酸や飽和脂肪酸に注意し、オメガ-3系脂肪酸(青魚やナッツ類)を積極的に摂取します。
禁煙・節度ある飲酒:タバコは末梢血管を収縮させ、動脈硬化を加速させるため、禁煙外来やニコチンパッチ等を活用します。飲酒は過度のアルコール摂取が肝機能やホルモンバランスを乱すため、ビール中瓶1本程度を目安に節度ある飲酒を心がけます。
睡眠・ストレス管理:睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合は簡易検査後にCPAPを導入し、慢性睡眠不足を改善します。慢性ストレスは交感神経を優位にし、EDを悪化させるため、マインドフルネスやヨガ、深呼吸などで副交感神経を活性化し、ストレスホルモン(コルチゾール)を抑えます。
③ED治療薬の適応
糖尿病性EDでは、陰茎海綿体への血流を改善するPDE5阻害薬(バイアグラ、シアリス、レビトラなど)が第一選択となります。血管障害が進行している場合でも、十分な用量であれば約50~60%の改善率が報告されています。ただし、重度の糖尿病性神経障害や重度血管閉塞を伴うケースでは効果が限定的となるため、次項の機器治療を検討します。
④機器治療・外科的治療
陰茎低強度衝撃波療法(LiSWT):海綿体の微小血管を再生させる目的で低強度衝撃波を照射し、局所の血流改善を図ります。糖尿病患者においても、勃起硬度の改善が報告されており、PDE5阻害薬との併用で更に効果を高めるケースがあります。
陰圧ポンプ療法:陰茎に陰圧をかけて血液を吸引し、バンドを陰茎根部に装着して勃起を維持する方法です。重度EDや手術適応外例でも自己操作可能で、薬剤耐性例にも有効です。
糖尿病でEDを予防するためには、何より血糖コントロールの徹底が基本です。HbA1cを7%未満(個別に年齢・併存疾患を考慮して目標設定)に維持することで、血管・神経障害の進行速度を抑制できます。また、定期的な健康診断や泌尿器科受診時にEDの問診項目(IIEF-5など)をチェックし、勃起硬度の低下を早期にキャッチすることが重要です。初期段階で軽度EDを自覚しても、PDE5阻害薬や生活習慣改善で大きな改善が見込めるため、早めに相談・治療を開始することで重症化を防げます。
当院では、患者様に安心して治療を受けていただくため、体制と設備の両面で最善を尽くしています。治療の質だけでなく、診療体験全体の満足度向上に努めています。
①泌尿器科専門医が診察から治療までを担当
泌尿器科専門医がすべての患者様の診察・治療を一貫して担当します。専門知識に基づいたきめ細やかな診察により、適切かつ効果的な治療計画をご提案いたします。品川区で泌尿器科専門医が提供するレノーヴァ衝撃波治療は当院が唯一です。
②話題の最新治療機器
当院では、イスラエル製の最新衝撃波治療機「レノーヴァ」を採用しています。高精度な照射により、安全で効率の高いED治療が可能です。照射面も広く、効率的に短時間で照射をすることが可能です。
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④アフターフォローも保険診療で対応も可能
治療後の経過観察や副作用の確認なども、すべて保険診療内で対応可能です。万が一のトラブルにもすぐに対応できる体制を整えています。また、他の治療で保険診療が必要になった場合、当院の連携医院である、「自由が丘わたなべ泌尿器科クリニック」へのご紹介もスムーズに可能です。
⑤男性スタッフのみが常駐
当院は、医師からスタッフまで全て男性が対応いたします。患者様も男性のみですので、初めての方でもお気軽にお越しいただけるようにしております。周囲の目が気になるという方もお気軽にご受診ください。
治療の流れ
初回の診察から施術まで、最短でご相談のその日のうちに施術を開始することが可能です。週に1回の施術を4〜6回程度行い、その後の経過観察で効果を判定します。
1webまたはお電話で診察のご予約をお願いいたします
LINEでのご予約が便利です。
こちらからLINEの登録が可能ですので、こちらからご予約をお取りください。
2web問診を回答
当院では、web問診を導入しております。予約後に表示される画面にて事前にご回答の上、ご来院ください。院内での回答も可能です。
3診察当日
まず、当院のスタッフによるカウンセリングを行います。ご要望や症状をお伺いしたのち、医師の診察を行い、最終的な治療方針を決定いたします。
4同意書の記入・お支払
診察にてプランを決定いたしましたら、同意書の記入を行っていただきます。その後、お帰りの際に、お支払いをしていただきます。
5施術
当日枠が空いておりましたら、そのまま施術を行います。空いていなければ次回施術をご予約のうえお帰りいただきます。
6通院のご予約
コースの方は、まとめて予約をしていただいた方が、ご希望が通りやすいため、まとめてのご予約をおすすめしております。
よくある質問
糖尿病患者がEDを予防するためには具体的に何をすればいいですか?
糖尿病性ED(糖尿病による勃起不全)を予防するには、まず血糖コントロールの徹底が最も重要です。血糖値が高い状態が続くと、微小血管障害や神経障害が進行して海綿体内の血流や神経伝達が阻害され、やがてEDを発症します。具体的には以下のポイントを押さえてください。
①血糖の目標管理
HbA1cを7%未満(年齢や合併症を考慮して適宜個別設定)に保つことで、血管内皮のダメージ進行を抑制しやすくなります。
インスリン抵抗性が強い場合はメトホルミンやGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬を使用し、食後高血糖を改善すると同時に体重減少も促します。
②運動療法
週3~5回、1回30分以上の有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳など)を継続すると、インスリン感受性が向上し、血糖コントロールが改善します。
筋力トレーニング(特に大筋群を鍛えるスクワットやデッドリフト)を週2回程度行うことで、基礎代謝が上がり肥満予防に寄与します。筋肉量の増加はテストステロン分泌促進にもつながり、ED予防の一助となります。
③食事療法
地中海式食事のように、野菜・果物・魚を中心としたバランスの取れた食事を心がけ、糖質のGI(グリセミック指数)を意識した選択を行います。血糖の急上昇を抑えるため、全粒穀物や低GI食品を積極的に取り入れましょう。
飽和脂肪酸を避け、オメガ‐3系脂肪酸(青魚やナッツ類)を適量摂取することで、血管内皮機能の改善や炎症抑制が期待できます。
④禁煙と節度ある飲酒
喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を加速するため、禁煙するだけでもEDリスクは大幅に低減します。
飲酒は「節度ある量(純アルコール20~30g/日程度)」を守り、過度な飲酒は肝臓代謝を乱すとともにホルモンバランスを崩し、EDを助長します。
④ストレス管理と十分な睡眠
慢性的なストレス下ではコルチゾールが常に高くなり、HPT軸(視床下部―下垂体―精巣軸)が抑制され、テストステロン分泌が低下してEDリスクが上がります。
糖尿病性EDの治療法にはどのような選択肢がありますか?
糖尿病性ED(糖尿病が原因の勃起不全)は、血管障害・神経障害・ホルモン異常が絡み合って生じるため、治療戦略も多角的に組み立てる必要があります。代表的な治療法は以下のとおりです。
①生活習慣改善の継続
ED治療を始めても、血糖や体重が改善しなければ効果は限定的です。運動・食事・禁煙・ストレス管理・睡眠の質向上を引き続き徹底することが必須です。
②PDE5阻害薬(バイアグラ・シアリス・レビトラなど)
海綿体の一酸化窒素(NO)–cGMP経路を増強し、海綿体血流を促進する作用があります。糖尿病性EDでも有効率は約50~60%と報告されており、通常用量から始め、効果が不十分な場合は医師の指示で増量や薬剤変更を検討します。
嚥下薬だけで効果が得にくい場合は、薬剤の服用タイミング(食前・空腹時)や性行為開始までの時間、アルコール摂取状況などを再調整してください。
③低強度衝撃波療法(LiSWT)
海綿体の微小血管に低強度衝撃波を当て、新生血管形成を促進して持続的な血流改善を図る治療法です。糖尿病性EDでも効果が期待でき、PDE5阻害薬と併用することでさらなる改善が得られることがあります。ただし自費診療となるため、費用面と通院回数を事前に確認してください。
④陰圧ポンプ療法(バキュームEレバトーマシン)
陰茎を陰圧にさらして血液を吸引し、勃起した状態を維持するための根元バンドを装着します。薬剤に抵抗性の重度EDや、心血管リスクが高くPDE5阻害薬が使えない場合の代替療法として有効です。
④ホルモン療法(テストステロン補充療法)
糖尿病患者ではインスリン抵抗性に伴いテストステロンが低下しやすく、EDを助長する場合があります。血中テストステロン値が低い症例では、テストステロン補充薬(皮膚外用・注射・インプラント)を検討します。ただし前立腺がんや高ヘマトクリットリスクを鑑み、定期的なPSA検査や血液検査が必要です。
⑤性機能リハビリ
糖尿病性EDでは、身体的要因だけでなく「性交への不安」「勃起できないかもしれない」という心理的ストレスが深刻化し、心因性EDを併発することがあります。性行為やEDそのものへの不安を軽減するため、専門医への相談なども活用しましょう。
関連ページ
・ゼウスクリニックのED治療についてはこちら
https://www.tokyo-zeus.com/ed-treatment/
・衝撃波治療についてはこちら
https://www.tokyo-zeus.com/renova/
・男性更年期障害についてはこちら
https://www.tokyo-zeus.com/loh/
文責
医療法人桜蕾会
理事長
自由が丘わたなべ泌尿器科クリニック
院長
渡邊 晃秀