- 男性ホルモン(テストステロン)とは
- テストステロンの分泌メカニズム
- 加齢によるテストステロン低下とLOH症候群
- テストステロン低下がEDを引き起こすメカニズム
- テストステロン低下の主な原因
- テストステロン低下の診断方法
- テストステロン補充療法(TRT)の概要
- TRTの効果とリスク・副作用
- 生活習慣によるテストステロン増加方法
- 当院の衝撃波治療が選ばれる5つの理由
- 治療の流れ
- よくある質問
男性ホルモン(テストステロン)とは
テストステロンは、主に精巣のライディッヒ細胞(精巣の間質に存在する男性ホルモン(テストステロン)を産生・分泌する細胞)で合成される男性ホルモン(アンドロゲン)の代表格です。胎児期には外性器の分化を促し、思春期以降は声変わりや筋骨格の発達、体毛分布を形づくります。大人になってからは、勃起機能や性欲維持、筋肉量・骨密度の保持、気力・集中力の向上といった形で、男性の性生活や日常活動の基盤を支えています。血中には一部が「性ホルモン結合グロブリン(SHBG)」に結合して運ばれ、残りが「遊離テストステロン」として全身の受容体に作用します。成人男性の正常値は総テストステロンでおおむね300~1,000ng/dLと言われ、これを下回ると「低テストステロン(LOH症候群)」と診断されることがあります。
テストステロンの分泌メカニズム
テストステロンの生成・分泌は、視床下部―下垂体―精巣(HPT)軸によって厳密にコントロールされています。視床下部からはGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が周期的に分泌され、下垂体前葉を刺激してLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)が放出されます。そのうちLHが精巣のライディッヒ細胞に作用し、テストステロン合成酵素を活性化してホルモン産生を開始します。こうして分泌されたテストステロンは血中濃度を高めると視床下部へフィードバックがかかり、GnRHの分泌を抑えることで過剰産生を防ぎます。この制御機構が加齢やストレス、生活習慣病などで乱れると、テストステロン分泌が減少しやすくなり、結果としてEDリスクが上昇します。
加齢によるテストステロン低下とLOH症候群
テストステロン分泌量は、男性ホルモンのピークともいえる20代を過ぎると徐々に低下していきます。具体的には、30歳以降で年間1~2%ずつ減少し、50代に入る頃には多くの男性で基準値の下限(300ng/dL付近)を下回ることがあります。この状態を「LOH(Late-Onset Hypogonadism:加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼び、以下のような症状がみられます。
・性欲の低下
・勃起機能の低下(ED)
・慢性的な疲労感・全身倦怠
・筋肉量・筋力の減少
・体脂肪の増加(特に内臓脂肪)
・気分の抑鬱・集中力低下
・骨密度低下(骨粗しょう症リスク増)
LOH症候群は、単なる「加齢による変化」と見過ごされがちですが、放置すると慢性的なEDだけでなく、高血圧や糖尿病、脂質異常などの生活習慣病を悪化させる要因にもなります。社会的にも働き盛りの世代であることが多いため、QOL(生活の質)低下や心理的ストレスを引き起こし、うつ症状といった二次的な問題を招く可能性があります。
テストステロン低下がEDを引き起こすメカニズム
テストステロンは勃起をサポートするための一酸化窒素(NO)合成を促進し、陰茎海綿体への血流を増加させます。具体的には、テストステロンが海綿体平滑筋細胞の一酸化窒素合成酵素(NOS)を活性化し、NO放出を介して動脈を拡張します。ところが、テストステロンが低下するとNOS活性が低下し、十分なNOが産生されないため血管拡張力が不足し、硬度のある勃起を維持できなくなります。さらに、テストステロンは海綿体内で平滑筋細胞を生存させ、コラーゲンや線維組織の過剰沈着を抑制します。ホルモンが不足すると平滑筋が減り、海綿体内の線維化が進行して硬くなりやすくなるため、勃起時に海綿体が膨張しにくくなるのです。また、テストステロンは性欲そのものを司るため、その低下は性行為に対するモチベーションを大きく低下させます。結果として、性的刺激に対して十分に興奮できず、心因性EDを招く要因ともなります。勃起機能の低下と性欲の低下が合わさり、テストステロン不足はED発症において非常に強いリスクファクターとなります。
テストステロン低下の主な原因
テストステロンが低下する要因は多岐にわたりますが、大きく分けると以下のような理由があります。
①加齢による自然減少
年齢を重ねるごとに視床下部―下垂体―精巣軸の調節機能が低下し、LH分泌や精巣の反応性が徐々に弱まります。その結果、テストステロン生成能力が自然に低下していくのです。
②生活習慣病やメタボリックシンドローム
肥満(特に内臓脂肪型)、糖尿病、高血圧、脂質異常症などがあると慢性的な炎症やインスリン抵抗性が生じ、精巣機能を抑制してテストステロン分泌を阻害します。こうした疾患はしばしば中高年男性で合併しやすく、LOH症候群とセットで進行することが多々あります。
③睡眠障害・ストレス
睡眠時無呼吸症候群(SAS)や慢性不眠は深いノンレム睡眠を阻害し、テストステロン分泌を大きく妨げます。また、慢性的なストレスがかかるとコルチゾール(副腎皮質ホルモン)が増え、HPT軸が抑制されることでテストステロン生成が低下します。
④薬剤性要因
ステロイドホルモン剤(プレドニゾロンなど)を長期使用すると、視床下部や下垂体へのフィードバックがかかり、内因性テストステロンの分泌が停止することがあります。また、抗うつ薬や抗精神病薬、前立腺肥大治療薬(5αリダクターゼ阻害剤)など、特定の薬剤もホルモンバランスを乱してテストステロンを減少させることが知られています。
⑤外傷・手術・感染症
精巣外傷や精巣捻転、精巣切除手術などでライディッヒ細胞が傷害されると、テストステロン生成が著しく低下します。ムンプス(流行性耳下腺炎)が精巣に波及して精巣炎を起こす場合も、同様にライディッヒ細胞がダメージを受け、テストステロン低下につながります。
⑥先天性・遺伝性疾患
クラインフェルター症候群などの性染色体異常は、もともとテストステロン合成機能が不十分で、若年から低テストステロン状態が続くことがあります。また、視床下部や下垂体の良性腫瘍などがGnRHやLHの分泌を抑えるケースもあり、この場合は二次性低テストステロンとして治療方針が異なります。
テストステロン低下を正確に診断するためには、血中ホルモン値の測定だけでなく、症状の有無や他のホルモン分泌状況も併せて評価する必要があります。まず、血中総テストステロンおよび遊離テストステロンを朝8~10時に採血し、基準値を下回っているかどうかを確認します。総テストステロンが300ng/dL未満、遊離テストステロンが5ng/dL未満で「低テストステロン」とされることが多いです。加えて、LH・FSH・プロラクチンなども同時に測定し、原発性(LH高値)か二次性(LH低値)のどちらかを見極めます。もしLH低値であれば下垂体や視床下部に問題がある可能性があるため、MRI検査などで器質的異常をチェックすることがあります。さらに、甲状腺ホルモンやコルチゾールなど他の内分泌ホルモンも併せて測定し、総合的にホルモンバランスを把握します。骨密度や筋量の評価(DXAや筋肉超音波)を加えることで、低テストステロンが全身に与える影響をより詳しく評価できます。自覚症状を数値化するために、AMS(Aging Males’ Symptoms)スコアなどのアンケートを用いて、疲労感や性欲減退、うつ症状などを総合的に把握することも重要です。
テストステロン補充療法(TRT)は、低テストステロンがEDや全身症状の原因となっている場合に推奨される治療法です。主な投与方法は外用剤、皮下インプラント、筋肉内注射の3種類があります。
①外用ジェル/クリーム
朝に腕や肩などに塗ることで皮膚から吸収され、血中濃度を徐々に安定させられます。自己投与が簡便で日常生活への影響は少ないものの、塗布部位が家族やパートナーに触れないよう注意が必要です。皮膚に赤みやかゆみが出る場合があるため、適切な部位と患部ケアを行います。
②筋肉内注射
テストステロンアンデカノエートやテストステロンシピオネートを大腿や臀部の筋肉に注射し、数週間~数か月かけて血中に徐々に放出させます。注射で確実に高濃度を得られますが、血中濃度がピークと谷を繰り返しやすく、投与時期によって多毛症やニキビの副作用が出やすいことがあります。採血による濃度チェックで適切な間隔・用量を調整します。
経口剤(テストステロンフーメートなど)は肝臓での代謝負担が大きいため、現在ではほとんど用いられません。TRTを開始する際には、事前に前立腺特異抗原(PSA)検査や直腸診による前立腺評価を行い、前立腺がんや高ヘマトクリットを除外する必要があります。
TRTの効果とリスク・副作用
TRTを適切に行うと、多くの場合、性欲・勃起機能が改善し、筋肉量や骨密度が増加して疲労感が軽減します。これにより、ED治療薬の効果も向上しやすくなるケースが多いです。しかし、副作用としては以下が挙げられます。
①前立腺への刺激
TRTによって前立腺が刺激されると、前立腺肥大や前立腺がんリスクが増す可能性があります。定期的にPSA値や直腸診を行い、異常があれば泌尿器科専門医と相談して投与中止や治療開始を検討します。
②高ヘマトクリット(赤血球増加)
テストステロンは造血を促進する作用があり、ヘマトクリットやヘモグロビン値が上昇します。高ヘマトクリット状態が続くと血液粘稠度が上がり、脳卒中や心血管イベントのリスクが増加するため、定期的に血液検査を行います。必要に応じて投与量を調整するか、献血をお願いすることがあります。
③男性乳房症(乳房痛・乳房肥大)
テストステロンは体内でエストロゲンに変換されることがあり、男性乳房症を引き起こす可能性があります。アロマターゼ阻害薬を併用してエストロゲン化を抑制したり、投与量を減らしたりする対策を取る場合があります。
④多毛症・にきび
皮膚のテストステロン代謝が促されることで多毛やにきびが出やすくなります。これらの症状は投与量や方法によって個人差が大きいため、副作用が強く出る場合は投与間隔や用量の見直しが必要です。
⑤睾丸委縮・精子産生低下
外因性テストステロンを補充するとHPT軸への負のフィードバックが強まり、LH分泌が抑制されます。そのため、精巣が萎縮し、精子産生が低下する可能性があります。将来の生殖能力を考慮する場合は、投与前に精子凍結保存を検討するか、TRTと併用してHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)療法を行うケースもあります。
TRTを行わずにテストステロンを自然に増加させるためには生活習慣の改善が不可欠です。まず、運動面では大筋群を使った筋力トレーニングが効果的です。特にスクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどの複合運動は全身の筋肉を刺激し、テストステロン分泌を促します。これらを週2~3回程度、1回30~60分行うことでホルモン分泌が活性化されやすくなります。有酸素運動も血行を改善し、間接的にHPT軸をサポートするため、ランニングやサイクリングを組み合わせると効果的です。
睡眠
はテストステロン生成に深く関わるため、7~8時間の良質な睡眠を確保することが重要です。就寝前のスマホ・PC利用を減らし、寝室を暗く静かに保つことでノンレム睡眠を深くし、ホルモン分泌を促します。睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合は、速やかに専門医を受診し、CPAP療法や体位指導を行うことが推奨されます。
食事面
良質なタンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)を適量摂取し、テストステロン合成の材料となるコレステロールや飽和脂肪酸を意識的に取り入れます。しかし、飽和脂肪の過剰摂取は動脈硬化リスクを高めるため、青魚に含まれるオメガ‐3脂肪酸やナッツ類を適度に加えてバランスをとることが大切です。また、亜鉛やマグネシウム、ビタミンDはテストステロン合成に必要な栄養素であるため、魚介類・玄米・緑黄色野菜・きのこ・キウイ・バナナなどを意識的に摂取し、不足しがちな場合はサプリメントで補うことも検討してください。糖質制限を極端に行うと、ストレスホルモンのコルチゾールが上がりやすくなるため、適度に炭水化物も摂りつつ血糖値を安定させることが望まれます。
ストレス管理
慢性的ストレスによるコルチゾール過剰がHPT軸を抑制し、テストステロン分泌を低下させるため非常に重要です。ヨガや瞑想、深呼吸、趣味への没入といった方法で自律神経を整え、心身のリフレッシュを図ってください。過度な残業や不規則な生活リズムを避け、適度に休むことでコルチゾールを上げない工夫をしましょう。
これらの生活習慣改善を組み合わせることで、TRTを開始せずともテストステロンを自然に増やしやすい環境を整えられます。ただし、すでに顕著なLOH症候群や重度EDをきたしている場合は、TRTを専門医と相談しながら並行して考慮する必要があります。
当院では、患者様に安心して治療を受けていただくため、体制と設備の両面で最善を尽くしています。治療の質だけでなく、診療体験全体の満足度向上に努めています。
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泌尿器科専門医がすべての患者様の診察・治療を一貫して担当します。専門知識に基づいたきめ細やかな診察により、適切かつ効果的な治療計画をご提案いたします。品川区で泌尿器科専門医が提供するレノーヴァ衝撃波治療は当院が唯一です。
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治療後の経過観察や副作用の確認なども、すべて保険診療内で対応可能です。万が一のトラブルにもすぐに対応できる体制を整えています。また、他の治療で保険診療が必要になった場合、当院の連携医院である、「自由が丘わたなべ泌尿器科クリニック」へのご紹介もスムーズに可能です。
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当院は、医師からスタッフまで全て男性が対応いたします。患者様も男性のみですので、初めての方でもお気軽にお越しいただけるようにしております。周囲の目が気になるという方もお気軽にご受診ください。
治療の流れ
初回の診察から施術まで、最短でご相談のその日のうちに施術を開始することが可能です。週に1回の施術を4〜6回程度行い、その後の経過観察で効果を判定します。
1webまたはお電話で診察のご予約をお願いいたします
LINEでのご予約が便利です。
こちらからLINEの登録が可能ですので、こちらからご予約をお取りください。
2web問診を回答
当院では、web問診を導入しております。予約後に表示される画面にて事前にご回答の上、ご来院ください。院内での回答も可能です。
3診察当日
まず、当院のスタッフによるカウンセリングを行います。ご要望や症状をお伺いしたのち、医師の診察を行い、最終的な治療方針を決定いたします。
4同意書の記入・お支払
診察にてプランを決定いたしましたら、同意書の記入を行っていただきます。その後、お帰りの際に、お支払いをしていただきます。
5施術
当日枠が空いておりましたら、そのまま施術を行います。空いていなければ次回施術をご予約のうえお帰りいただきます。
6通院のご予約
コースの方は、まとめて予約をしていただいた方が、ご希望が通りやすいため、まとめてのご予約をおすすめしております。
関連ページ
・ゼウスクリニックのED治療についてはこちら
https://www.tokyo-zeus.com/ed-treatment/
・衝撃波治療についてはこちら
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・男性更年期障害についてはこちら
https://www.tokyo-zeus.com/loh/
文責
医療法人桜蕾会
理事長
自由が丘わたなべ泌尿器科クリニック
院長
渡邊 晃秀